“円の下落”をカバーする”無国籍資産”金のすべて
世界情勢が不安定で、経済の先行きが見えない現在、私たちはどのように資産を守ったら良いのでしょうか。
特に、円の下落が続く中での資産運用は、大変重要な問題として浮上しています。
そこで注目を集めているのが「金」、つまりゴールドです。
金は古くから、人々の価値の直接的な象徴であり、資産の一部として保有することが重要視されています。
今回は、池水雄一氏と大橋ひろこ氏による新著『金のすべて』を元に、金の魅力や投資方法について深掘りしていきますので、ぜひお付き合いください。
第1章 なぜゴールドを持つべきなのか?
ゴールドを持つ理由は、一言で言うと「保険」に他なりません。
経済状況が不安定なとき、特に円が下落している状況では、その価値が相対的に増加します。
過去54年で金価格は約80倍に上昇しているという数字からも、その価値の安定性が伺えます。
国際的な市場において、金はいつの時代でも「無国籍資産」としての地位を確保しており、インフレヘッジとして非常に有効です。
例えば、インフレの影響で物価が上昇しても、金はその価値を維持する傾向にあります。
このため、将来の資産形成においていかにゴールドが重要か、特に日本のように長年のデフレからの脱出を目指す現状では、ゴールドの保有は大きな安心感をもたらしてくれます。
さらに、インドや中国で「爆買い」が続いているのも、金が持つ価値の安定性に起因しています。
これらの国々は文化的に金を重視しており、結婚や祭事などのイベントでは必ずと言っていいほど金が購入されます。
このような需要が世界中でゴールド市場を形成し、価値を押し上げているのです。
第2章 ゴールドとは何か
金は、元素記号「Au」で表される貴金属で、非常に古くから人類によって利用されてきました。
その美しい色合いや耐久性から、宝飾品や通貨として重宝されてきました。
金は酸化しないため、劣化せず、その美しさを保つことができます。
この特性が「永遠不変」と言われるゆえんです。
また、金はその希少性からも価値のある資産とされています。
地球上には限られた量しか存在せず、採掘には膨大なコストがかかるため、供給は常に需要に対して限定的です。
その結果、経済が不安定なときでも、金は安全資産としてその価値を維持します。
さらに、金には特有の市場が存在します。
国際的な取引や、各国の中央銀行による保有など、金は金融商品としての重要性を誇っています。
投資家は金を多様な形で保有することができ、例えば現物の金地金や金貨、さらに接触を持たない形でのゴールドETFなど、選択肢が揃っています。
第3章 ゴールドはいかにして掘られ、いかにして使われるか?
金がどのように採掘され、どのように利用されているのかを知ることは、投資の視点からも非常に重要です。
金の採掘は、多くの環境的・倫理的な課題を抱えています。
まず、金鉱山は世界中に存在し、南アフリカ、オーストラリア、ロシアが主要な生産国となっています。
金採掘方法は大きく分けて、大規模な鉱山による「マイニング」と、小規模な鉱夫による「自家採掘」の2種類があります。
マイニングは、効率的に大量の金を得ることができる半面、環境への影響が大きく、サステナビリティの観点から批判を受けることもあります。
一方、自家採掘は地域経済に貢献しますが、労働環境の悪化や、法律の不正利用が問題視されています。
採掘された金は、主に宝飾品、工業用途、中央銀行による備蓄として使用されます。
特に、宝飾品市場は世界中で非常に大きな市場を形成しており、消費者の需要が金の価値をさらに高める要因となっています。
また、最近ではテクノロジーの発展により、金の工業用途も増加しており、電子機器や医療製品などに利用されるケースが見られます。
第4章 ゴールドのマーケットは、どのように形成されるのか
ゴールドマーケットは、非常に複雑で多層的な市場です。
金の価格は世界の需給バランスによって形成され、特にインフレ、金利、通貨の強さといった経済的要因によって大きく変動します。
金の価格は、米ドルで取引されるため、ドルの強さが価格に影響します。
ドルが強いと金は相対的に高く感じられ、逆にドルが弱くなると金の価格は上昇する傾向があります。
また、インフレが進むと、投資家は金を安全資産として選ぶ傾向がありますので、需要が高まります。
これにより、ゴールドは「金利高」で「ゴールド高」といった、相反する現象を引き起こすこともあります。
つまり、金利が上昇することが金の需要を押し上げる一因として現れることもあるため、この相互投影を理解しておくことが大切です。
さらに、各国がゴールドをどのように保有し、運用するかもマーケットに影響を与えます。
特に、中国やインドは、金を主観的に大切にする文化が根強く、その影響は国際的なゴールド市場に直接的な影響を及ぼします。
これらの国々での金需要は、世界の金価格を動かす要因となるのです。
第5章 国によって違うゴールド市場
ゴールド市場は国によって異なる特徴を持っています。
例えば、インドでは金は文化や伝統に深く根ざした資産であり、結婚やお祭りといった特別なイベントに欠かせないアイテムとされています。
そのため、インドでは金需要が常に高く、価格に強い影響を与えています。
一方、中国もまたゴールド市場での重要なプレイヤーです。
中国政府は国民に金の購入を推奨する方針を取っており、安全資産としての位置付けを強調しています。
このため、中国の金需要が急増しており、価格にも影響を与える要因とされています。
対照的に、日本においては金に対する認知はまだまだ低く、その需要は相対的に少ないことが課題です。
しかし、最近の円の価値下落やインフレ状況により、金への関心が高まりつつあります。
日本でも、金の購入を容易にするための様々な商品やサービスが登場してきており、より多くの人々が金を資産として考えるようになっています。
第6章 ゴールド投資にはどんなものがあるか
ゴールドに投資する方法は多岐にわたりますが、特に注目しておきたいのは具体的な投資手段です。
まず、現物の金地金や金貨を購入する方法があります。
これは、金の本質的な価値を直接手に入れることができるため、多くの投資家にとって親しまれています。
新NISAを利用すれば、小額からゴールドETFへの投資も可能で、流動性を保ちながらリスクを適度に分散させることができます。
また、金の先物取引も選択肢のひとつです。
これは、将来の金の価格に基づいて取引を行うもので、高いリスクとリターンを伴います。
本格的な投資家には向いていますが、価格変動が激しいため注意が必要です。
さらに、CFDと呼ばれる一つの口座で世界中のマーケットに投資する方法もあります。
これにより、時間的な制約を超えて、さまざまな資産に分散投資できる柔軟性を提供してくれます。
近年では、暗号資産のような新しい投資商品も登場しており、「ジパングコイン」といったゴールドを基にしたデジタル資産の可能性も広がっています。
これにより、ますます多様化する投資手段の中から、自分に合ったスタイルを見つけることができるでしょう。
第7章 ゴールドをとりまく貴金属たち
金の投資の魅力はその独自性だけではありません。
プラチナやパラジウム、銀など、他の貴金属と合わせての投資も非常に価値があります。
特に、プラチナは工業利用が盛んなため、一時的な需要増によって価格が急騰することがあります。
また、銀は工業用にも重宝されており、その需要は今後も増えると予想されています。
特に、再生可能エネルギーの分野などで、銀の利用が拡大していますので、これは投資家にとって非常に注目すべきポイントです。
これにより、金とこれらの貴金属の組み合わせでのポートフォリオを構築すれば、より多様なリスク管理が可能となるでしょう。
貴金属全般が経済の不透明さを反映し合い、相互に影響を及ぼし合うため、これらを効果的に組み合わせることが理想的です。
まとめ
2025年に向けて、波乱含みの世界情勢が続く中で、資産形成のリスクヘッジを考える際には、ゴールドが持つ魅力とその投資方法を理解し、実践していくことが重要です。
池水雄一氏と大橋ひろこ氏の著書『金のすべて』では、金の特性やその価値の変動、投資の選択肢を詳しく解説しています。
金は「無国籍資産」としての地位を確立し、安定した価値を提供してくれる存在です。
円の下落に対抗するためにも、少額から投資を始めることが可能なゴールドは、あなたの資産運用において頼もしいパートナーとなるでしょう。
この機会に、金の魅力を再評価し、資産形成に役立ててみてはいかがでしょうか。
